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ご依頼内容
今回いただいたお話は、毎年発行している高等学校の社会科用語集「現代社会+政治経済」の、5,000語以上収録される用語をお客様側がデータベース化するにあたって、書籍の印刷をする際に連携しながら、データ制作が行えるような提案をしてほしいとのご依頼でした。ご希望の紙面デザインや組版体裁に合わせられるように、弊社のオリジナルで自動組版用プログラムを開発させていただきました。
課題
自動組版とは、本来デザイナーやDTPオペレーターが文字や図版の組版を行う作業を、構造化されたテキストデータをもとにコンピュータ上で自動的に組版作業を行わせる技術のことをいいます。紙面に配置するテキスト内容はもとより、変更箇所の修正作業もデータベース上で行うことで、時間も工数も減らせるという利点があります。
ソフトウェアメーカーなどで提供されている汎用的な自動組版システムでは、パッケージされたプログラムにより、決められた仕様の中でレイアウトされるのが普通ですが、広研印刷では、お客様のご希望のレイアウトや誌面の体裁を事前に確認させていただき、内容に合わせたオリジナルの自動組版処理プログラムを開発しています。
今回ご相談いただいた用語集は発行する時期に明確なデッドラインが存在します。したがって、通常の組版作業や度重なる校正作業を行っていると、納期が間に合わなくなる可能性がありました。そこで、お客様からのご要望も踏まえた上で自動組版処理による制作工程への切り替えに着手しました。
提案内容
用語集での見出し、情報アイコン、文字組み方法などを担当者様と打ち合わせて、ご希望に合わせた組版プログラムを開発していきました。その際、データベース向けの入力フォーマットも合わせてご提案させていただきながら、生産コスト、処理時間が共にコンパクトになるよう意識しながら進めました。
また、組版後の校正段階で出てきたお客様の組版へのこだわりも、弊社で開発しているからこそ、随時反映してブラッシュアップをすることができました。
担当営業の声
自動組版処理に切り替えた結果、制作時間は通常の半分以下に短縮できました。今まで人力で繰り返し行っていた組版工程を減らせたことで、ご満足いただける大幅な納期短縮と低コスト化を実現できました。組版後に行った文字の修正も、組版後のデータからデータベース用データに戻すためのプログラムを開発することで、常に最新の情報を反映することができ、次回に向けてデータベースを保管いただけます。
この案件をきっかけに、他の科目用語集でも同様のワークフローを導入させていただきました。さらにモバイルアプリの開発・配信など、自動組版以外のさまざまな案件でのご提案でもお客様に喜んで頂けました。