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代表取締役会長
私は会社勤務時代、月に246時間残業をした経験があります。それは私自身の使命感から働いた結果であり、大切な顧客のためでありました。従ってそのこと自体に悔いは全くありません。ただ、私の努力に対して会社からねぎらいの言葉ひとつなかったことに、大いに疑問を感じました。このままでは心身ともに消耗すると思った私は、退職を決めました。
私は働く人を大切にする会社をつくろうと心に決め、この50年、広研で働く皆さんが幸せになるための仕組みづくりに心血を注いできました。皆さんは1日8〜10時間、しかも朝起きてから夕方までという生活のゴールデンタイムを広研で過ごしています。その大切な時間帯を幸せに過ごす権利が皆さんにはあります。そのことを十二分に心に刻んでほしいのです。
広研がスポーツ精神を経営に取り入れているのは、皆さんが広研で働くことを通して幸せになってほしいと願うからです。スポーツにはルールがありますが、それ以外は基本的に自由です。途中経過も結果もすべてが明らかにされ、正々堂々と勝負ができます。そして失敗しても常にリベンジが可能です。こうした環境で働くことができれば、誰もが自分の心掛け次第で充実感を得られ、幸せを追求できると考えたのです。
経営計画書の配布、成果配分制度の導入、物心両面の充実の追求など、広研に根付く慣習、文化、スタイルのすべては、皆さんに仕事を通して幸せをつかみとってほしいとの思いから始めたことです。皆さんには、この環境を大いに活用していただきたいと切に願います。
そして、もし皆さんが幸せになるためにこうしてほしいと思うことがあれば、すぐに申し出てください。万一皆さんにとって不幸の種があれば、迷うことなく声を上げてください。皆さんがより幸せになること、皆さんの不幸の要因を取り除くことに対し、私はいかなる努力も惜しまないつもりです。
間違っても会社のために働こうと思わないでください。自分自身の幸せのために努力をしてください。大切な家族のために一生懸命になってください。広研で過ごす人生のゴールデンタイムを、輝くような笑顔で過ごしてください。皆さんの幸せこそが、広研の創業者としての私の本懐です。