印刷会社がMAツールを導入するメリットとは?

CI委員会副委員長の三枝です。
今回はMAツールそのものの説明をした上で、中小規模の印刷会社が導入する意義について考えてみたいと思います。

MAツールって何?

MAとは「Marketing Automation」の略で、新規顧客獲得における一連のマーケティング活動全般を、自動化・効率化することです。そのためのツールがMAツール、というわけです。

マーケティング活動って何するの?

マーケティングとはそもそも、商品やサービスが売れる仕組みをつくること、といわれます。その仕組みをつくる活動が「マーケティング活動」といえるでしょう。
ただ、マーケティング活動は非常に多岐にわたります。
駅などに広告を掲出することも、ダイレクトメールを送ることも、検索サイトに広告を載せることも、ウェブサイトのSEOを最適化することも、それぞれマーケティング活動のひとつです。
かけた広告費や開発費に対する費用対効果を上げるためには、どの媒体にどれだけ注力するかといったマーケティング活動の戦略策定と、その結果を調べる効果測定が必要になります。
戦略策定だけでは結果が分からず費用対効果が測定できませんし、戦略なく広告をばらまいてもいたずらに費用がかかってしまいます。

効果的なマーケティング活動を行うには

テレビや大手新聞などのマスメディアに大々的に広告を出しても、それがどれくらい商品やサービスの購入に結びついたのか、検証するのは難しいです。
誰がどんな媒体から自社の商品やサービスを知り、どうやって購入に至ったのかを追跡できれば、より効果が期待できる媒体に費用をかけたり、ターゲットとする層に向けて広告の内容を変えてみたり、といったマーケティング活動の修正が可能になります。
それができるのが、ウェブを利用したマーケティング活動です。

欲しい商品やサービスについて事前にインターネット(ウェブサイトやSNS)で調べるという方は多いのではないでしょうか。
そうやってインターネットで情報を見たり調べたりした履歴は蓄積され、さまざまな形でプロモーションなどに利用されているのは周知のことと思います。
そうしたデータを基に、その人が購入を検討しているちょうどいいタイミングかどうか、掲載した広告がどれくらいの人に見られ実際にどれくらい商品・サービスが購入されたのか、ということを定量的に把握できれば、マーケティング戦略を具体的に絞り込むことができるようになります。
それらを実現するためのツールのひとつがMAツールなのです。

名刺情報(社名、部署名、メールアドレスなど)とウェブサイトの閲覧者のクッキー情報を紐付けることで、閲覧者の情報を把握することができるのがMAツールの最大の強みです。
そしてだいたいのMAツールでは、どのページを見たら何点、資料請求したら何点、といった具合に閲覧者単位で重み付け=スコア化を行うことができます。
閲覧者をスコア化することで、閲覧者が自社の商品・サービスの購入をどれくらい具体的に検討しているかを知る手がかりになります。

このような情報を取捨選択して、効率よくマーケティング活動を行うことができるようになるのです。

中小印刷会社がMAツールを導入するメリットは?

会社それぞれの商品・サービスの性質にもよるので一概には言い切れませんが、休眠顧客の掘り起こしや、ウェブと印刷(DMなどの販促ツール)を組み合わせたプロモーションなどが考えられます。
MAツールは前述のような機能を持っているので、MAツールをコーポレートサイトがどのような性質の人に見られているのかを把握するだけのツールにしてしまわないよう、ツールの特性を理解し、実際のマーケティング活動、引いては営業活動にどれだけ落とし込んでいけるかが重要です。

また、明確なターゲットを絞り込める場合は、そのような顧客が読みたい・知りたいと思えるコンテンツをウェブサイトに用意していくことも効果があるでしょう。
そのようにコンテンツを充実させてウェブサイトへの流入量を増やせれば、MAツールと歯車が噛み合って、効果的な販促活動が実現できます。

MAツールは、単に導入しただけでは何の効果も上がりません。結果を出すための準備が必ず必要になりますし、軌道に乗せるまでが大変です。また、MAツールによって提供されるサービスが大きく異なりますのでツール選定も非常に大事です。
しかしMAツールの運用が軌道に乗れば、営業コストを抑えた非常に効果的な販促活動が可能になります。
日本ではMAツールを導入している企業は1.2%、上場企業だけで見ても11.3%ほどですが、「商品やサービスが売れる仕組み」を作ることは、マーケティング部門担当者だけの仕事にあらず、会社ぐるみで時間をかけて行うべきものだと思います。

CIではMAツールについて現在情報収集しており、その一環でこの記事を執筆しました。これからMAツール導入を検討するような、同じ境遇の方にこの記事が少しでもお役に立てば嬉しいです。

MarkeZine『上場企業のMAツール導入率は11.3% 1年間で2.4ポイント増加【Nexal調査】』(最終閲覧:2023年3月29日)

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